2009年05月18日

届け、今日の日

写真と記事:瀬尾泰章

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5月13日の後楽園ホール。
僕は高田教授と一緒にいた。

先月事故で亡くなられた、小松則幸選手が今日ここのリングにたつはずだったのだ。

事故から1ヶ月。

今日この日、小松選手が本当の意味で最後のリングにいた。
試合前、追悼セレモニーがあったが、彼の存在を、ボクサーとして、一個人として、多くの方に改めて知っていただけるものだった。

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小松選手が亡くなられた数日後、高田教授からいただいたメッセージ。
しっかりお届けしたい。

『小松 則幸選手のお通夜と告別式に行き、小松君の生きざまを感じました。大勢の人達が小松君のお悔みと見送りに来ていました。日々を一所懸命に生き、人との関りを大切に生きていたのかな、と思い

「小松君は、何処へ行ったのかな?」
「人生って、何だろう?」
「人の命は儚いな」って。

お通夜の時に、小松君の顔を見たら、綺麗な顔で笑顔でした。その瞬間涙が溢れてきましたが、いい人生を送ったんだろうなと、感じ、自分を日々を大切に生き一所懸命に生きるより、肩の力を抜き日々を精一杯に楽しもうと思いました。』

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追悼セレモニーが終わると、対戦相手だったはずの亀田大毅選手の試合が始まった。

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マネージャーの本石さん。

”小松をしっかりみてやってください” そんな思いを感じた。

余談だが、写真を撮る行為は、時として相手にとって嫌がられる事も決して少なくない。ましてや今は誰でも気軽に写真が撮れる時代。シャッターを1回押す意味が希薄な時代。僕にとってこの3人の写真は、自分の中で ”シャッターを押す意味” を考えさせられる1枚になった。

”起きた現実に目をそらさず、しっかり受け止めてほしい”

写真を撮る行為も、まさに真剣勝負だ。

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この日たくさん張り出されるはずだったろう、ポスター。
高田教授にとって大切なものになるはずだ。

この記事を、多くの方にみていただき、小松選手の存在を知ってもらえたら嬉しい。不幸から一ヶ月、たった一ヶ月、しかしもう一ヶ月でもある。

時間とともに、忘れていくのはしょうがないかもしれない。
しかし、今日の日のこの記録が、小松選手の事を思い出す1つのきっかけになったら嬉しい。
posted by 事務局 at 00:00| ボクサー・小松則幸

2009年02月16日

勝負の世界にみるもの

この記事を書かせていただいた数日前に、はじめて小松選手にお会いして写真を撮らせて頂いた時の事を思い出します。
初対面の私に、試合前にもかかわらず丁寧に接していただきました。
とても残念です。
心からお悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。

2009年4月14日
瀬尾泰章


週刊ウラハラ藝大より抜粋

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試合後の赤コーナー。

それは、1ラウンド、ゴングから2分あまりの出来事だった。

応援していた客は一斉に席をたち、会場から去っていく。

スポーツ、勝負の世界は厳しい。

そんな事を改めて、気づかされた光景だった。

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ボクサー・小松則幸。

高田教授の応援する一流のボクサーだ。

大阪まで、彼の勇姿をみに高田社長と大阪入りした。

試合前、高田教授に小松選手を紹介してもらった。

想像と違う小柄な小松選手。

しかし凄みを感じたのは、握手を交わした彼の拳だった。

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試合前の緊張感。

試合後の脱力感。

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試合後に、高田社長やほか仲間が集まる、食事の席に小松選手はやってきた。

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もうボクシングやめた方がいいのでは?

と、後援者の声もあったようだ。

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勝負の世界、厳しい世界だ。

勝てば、英雄。歓喜が沸き上がる。

負ければ、客は、さっきまで応援していた選手の横を無情にも横切り、さっさと去っていく。

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翌日、

東京に帰った高田教授に、小松選手から電話が入った。

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ボクシングを続けます。応援よろしくお願いします。

というものだった。

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勝負の世界で戦うもののストーリー。

スポーツの世界はいつも引退という文字が隣あわせだ。

今度は絶対に、試合後の赤コーナーで、祝福される小松選手の姿を紹介したい。

紹介したい。

絶対に。

☆☆☆☆☆

『私は、ボクサーとしてだけの小松則幸を応援しているのではなく、小松という一人の男に魅力を感じ応援してますが、試合を観る度に小松選手から逆に学ばさせてもらってます。小松選手は、1R 3分間を四角いリングの中で全力で戦い、集中し自分の持っているエネルギーを出す姿を観て、自分は仕事に対して全力で向かっているか?目標を掴む為に日々行動しているか。沢山の事を学ばせてもらいました。』

高田一信より
posted by 事務局 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ボクサー・小松則幸